「ニート」って言うな!
マスコミは如何にして世間のネタを作り、自身がネタと成るか
とりあえず、最近マスコミは「ニート」「ネットカフェ難民」「オタージョ」など、非常に個性的で頭の悪そうな造語をでっち上げ、井戸端会議レベルのちまちました論理性の欠片もない小ネタを捏ね繰り回すのがマイブームのようだが、そこに一石を投じる面白い本。
非常に切り口も冷静かつ論理的で、具体的な数字の挙げ方も利に敵った文章構成となっている。
みのさん好きには最早馬の耳に念仏だとも思うが、ちょっとマスコミに乗せられている感のある方、自己の危機管理能力のためにも、こういう冷静な切り口の本を読むことをオススメしたい。
が、この本はあくまで「数値や論理から見た若者像」だし、逆の視点の本を読まないことには、意味はない。
小論的な本、新書などは、得てして論理のノイズになるような情報は正しくても切って捨てる必要があるからだ。
世論は論理ではなく感情で作られるし、「ニート」の存在は歓迎すべきものにはなりえない。
そう考えると、そう楽観的になれる内容でもない。
ニート問題
社会学の視点からよく考えているの一言です。巷ではニートといえば働く気が皆無で、寄生虫的な人間の元凶だという情報が溢れかえっています。その解決のためには倫理や道徳を重んじ、集団に帰属させる支援が必要だと言われています。しかし筆者はマスメディアが話を面白くするために、わざわざごく一部でしかないことをさも危ない人間の如く吹聴して、問題そのものを覆い隠そうとしていると述べられています。またニートと呼ばれる人は概して就職浪人のような方が多いらしいです。問題点としては卒業時に学校を介してしか就職先が見つかりにくいことと専門高校に関して言えば、偏差値で振り分けて肝心の技能を身につけるか否かはさして重要視されていないことが挙げられています。ニートにせよ、引きこもりにせよ、悪の一点張りで道徳規範の欠如と騒ぐより本質的なことを掴んで解決策を見いださねばならないと感じました。大衆の当該問題の認知と実体は乖離していると伺い知れた一冊です。
こんな良書があったとは。
本書は,まさに今議論になっている格差社会について論じた本でありますが,その実,
「ニート」を題材にして,マスコミが,いかに流行に迎合的であることかや,少数の
ショッキングな事件を一般化することで,社会不安を煽る存在であることか,を描い
ている本です。もっともっと話題になるべき良書だと思います。
ただ,3人の著者の論文集のような本なので,読みにくいというほどではないですが,
体系的なまとまりはありません。しかしながら,非常に存在意義の高い本だと思います
ので,☆5ついきます。
それにしても,「近頃の若いモンは・・・」という話題が,いかに多くに人々に訴求する
ものであるかについても本書を読むとよくわかりまして,ため息が出そうです。
本田 由紀

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発売日: 2006-01-17
発売元: 光文社
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